インドネシア就職は今がチャンス！売り手市場でキャリアを切り開く

2010年から2015年までインドネシアは日系企業による進出ラッシュがあり、その当時、日本人求職者の中でも有望な就職先であったのは事実。しかしその後、ベトナムなどの隣国、不動の人気を誇るシンガポールやタイ就職が活況となり、今では不人気となったインドネシア就職――。2003年にインドネシア移住をした筆者独自の目線で、求職者の立場から売り手市場の現状とキャリア戦略を解説します。

今、インドネシアが熱い

かつて不人気だったインドネシア就職ですが、今は状況が一変。日系企業のローカル化が進み、日本人現地採用の需要が急増しています。競争が激しいシンガポールやタイと異なり、インドネシアでは求人過多の状態が続いており、日本人求職者にとっては売り手市場です。

求職者が置かれる状況

英語圏や政治が安定する国では求職者が殺到し、競争が激化します。一方でそもそも注目を浴びにくいインドネシアで職探しをする求職者にとってはプラスに働きます。ひとつの求人に求職者が殺到する他国と違い、じっくりと自分に合った会社や職を探すこともできます。初めてインドネシアで職探しをする人もその恩恵を受けることができますし、既にインドネシアで働き、国内で転職する人にとってはなおさら求人企業からの熱い視線を受けますから、転職は決して高いハードルにはならないというのが筆者の意見です。

重要なのは、就職後に何をするか

求人で最も多いのが営業職です。未経験でもチャレンジできる機会が多く、若手現地採用が活躍するケースも少なくありません。営業職は、海外でキャリアをスタートするための入り口として最適なポジションです。
大切なのは、営業職としてのキャリアをどう描くか。営業経験は、コミュニケーション力や交渉力、マーケティング視点など幅広いスキルを身につける絶好のチャンスです。さらに、海外営業経験は他国への異動や業界転職にも強みとなり、将来の選択肢を広げる第一歩になります。
自分はその会社で何を目指すのか、どのポジションで価値を発揮するのかを考えてみましょう。駐在員では担えない業務や専門知識、ネットワークを築くことで、「彼/彼女は必要な存在だ」と評価されるキャリアを実現できます。

活路を見出す

どの会社でも専門職が存在します。商社なら物流や輸入、製造業なら生産管理や購買など、専門性を磨ける環境があります。貿易の知識、そして難解な輸入手続きを把握する存在は貴重で、多くの業界で求められる知識です。自分が担当する職に専門性が低ければ、より専門性の強い他の業務を遂行できないか、模索するのです。日本本社では、人事異動などで複数の職を経験し、全体を見れるゼネラリストが海外に赴任する傾向があります。一方で、現地採用が生き延びる一つの術は、専門性を磨いた「スペシャリスト」になること。「彼は必要だ」そう感じてもらえるには、それが最も効果的な道だと思うのです。
就職する人それぞれの道があるも、日本でも異国の地であっても「必要とされる存在」となることが、職業人生の中の最大の幸福なのだと信じます。リスクを負って「海外就職」の道を選択した現地採用だからこそ、その柔軟性をもってその幸福をつかんでほしいと願います。

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