なぜインド人材採用は難しい?日系企業が陥る3つの落とし穴

Authored by 藤井健吾, 南インドリージョナルマネジャー, インド • 4 min read

インドでの採用

日系企業のインド人材採用が失敗する理由とは?― よくある失敗パターンと成功に導く回避策

インド市場への進出や事業拡大に伴い、多くの日系企業がインド人材の採用に取り組んでいます。
一方で、「採用活動がスムーズに進まない」「採用できてもすぐに辞めてしまう」「期待した成果が出ない」といった課題を抱える企業も少なくありません。
本記事では、日系企業がインド人材採用で陥りやすい失敗パターンと、それを回避するための考え方を、現場視点で解説します。

なぜ日系企業のインド人材採用は難しいと言われるのか

インド人材の採用が難しいと言われる理由は、日系企業各社のプレゼンスの問題ではありません。
多くの場合、日本人が前提としている「採用の常識」と、インドの「労働市場の実態」とのズレが原因です。
この違いを十分に理解しないまま採用を進めると、採用活動が滞り、入社後の活躍に繋がらず、早期離職となってしまいます。
今回はよく起きてしまうミスマッチの中から、3つ例に挙げてご紹介します。

日本基準で見てしまうと起きる3つのミスマッチ

1. 希望給与を満たさなくても、採用できると思ってしまう

インド人材が、転職活動を行う理由のほとんどが給与・役職UPです。
転職時に期待する給与は現年収の20%~30%UPが一般的で、期待する給与・役職に届かない場合、転職しません。
給与以外の他要素が魅力に映れば、希望給与が期待に満額届いていなくても転職意思決定することも多い日本人と比べ、かなりシビアに待遇を軸として入社判断するため、できる限りコストを抑えて採用しようと試みる企業のオファーは辞退されてしまうことも多いです。
事前に候補者の希望給与・役職の期待値をできる限り明確に把握した上で、選考プロセスを進める必要があります。

2. オファーを承諾した後は、辞退せず入社してくれると思ってしまう

インド人材が、転職活動を行う理由のほとんどが給与UPということは前述しましたが、
内定承諾後も転職活動を続け、より良い待遇のオファーを受けた場合、入社前日であっても平気で辞退されてしまうことがあります。
候補者の方にとって納得度の高いオファーとなっているか、現職の退職手続きが完了しているか念を入れて確認の上、オファー承諾から入社までの期間をできる限り短縮し、時間的ゆとりを設けない等、リスクを軽減するための工夫が必要です。

3. 役割、職務範囲が曖昧でも、入社後に頼めば何でもやってくれると思ってしまう

インド人材は、自身の役割と責任範囲を明確に理解した上で入社判断を行います。「状況に応じて何でもやってほしい」という日本の総合職的な期待は、インド人には好まれないケースが多いです。
一方、インド事業立ち上げ期の日系企業では、複数の役割を兼務して活躍できるインド人を採用したいというニーズも多いです。
事前に役割や責任範囲、業務比率等を拡張可能性含めジョブディスクリプションに定義し、スキルセットや志向性の合致した人材を採用するための注意が必要です。

書類選考・面接で見るべきポイントの例

インド人材の採用選考時は、学歴や企業ブランド以上に以下の点が重要です。

  • 転職理由に一貫性があるか
  • 通勤に負荷がかからないか
  • 自身の役割や業務内容、成果を言語化できているか
  • 募集ポジションの期待と本人の期待、志向性が合致しているか

特に転職回数だけで判断すると、優秀な人材を見逃す可能性があります。
「なぜ転職したのか」「次に何を期待しているのか」を踏まえた評価が必要です。

おわりに

ご存じの通り、インドはあらゆる面において多様な国です。
今回はよくあるパターンや傾向についてお伝えしましたが、実際の採用活動では候補者のインド人材に応じて、期待値や、志向性は異なります。
一般的な傾向は踏まえつつも「インド人だから」と一括りにするのではなく、一人ひとりの「はたらく」の価値観を理解し、歩み寄ろうとする姿勢を持ち続けることが、インド人材と共に笑顔で協働できる未来につながると信じています。

本記事に関するお問い合わせ
パーソルインド ジャパンデスク
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